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ていうか、座ったはいいけど一体、何を話せばいいんでしょうか。
助けて、みっちゃん。
彼は携帯をいじりながら、海老天そばが出来上がるのを待っている。
今日も、ネクタイは少し緩んでる。
ふっと壁にかかっている時計を見ると、平日の午後四時前。
仕事、抜け出してきたのかな。
この人は……何の病気なんだろう。
見た感じどこか怪我しているようには見えない。
かと言って、そこまで体調悪そうにも見えない。
そんな事を考えながら、彼から目を離せずにいると。
突然、バチッと目が合ってしまった。
「何?」
「え……」
「何か、凄い視線を感じるんだけど」
「な、何でもないです!私の事はお気になさらずに!」
慌てて両手を左右に振りながらそう答えると、彼は豪快に吹き出して、お腹を抱えて笑いだした。
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