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舗装されていないゴツゴツした道を、孝宏君と一緒に歩いていくと、急に視界が開けた。
目の前にやや小さめの可愛らしい橋が現れる。
その下に流れている川も、幅が狭くて浅そうだ。
さっき聞こえていた水の音は、この川のものだったみたい。
そのとき―――。
頭が少しズキッと痛んで、私は軽くうめいた。
「どうしたの?!」
心配して孝宏君は振り向いてくれる。
「あ、いえ、大丈夫です。すみません、少し頭が痛くなって……」
「大丈夫?」
頭が痛くなった瞬間、はっきり確信したことがあった。
間違いない………私、この橋を知っている。
それは確信できるのに、なぜだろう……橋の名前は思い出せない。
でも、見たことがあるのは確実だと思う。
そのことをすぐに孝宏君にも伝えた。
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