第1章 7月1日

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 舗装されていないゴツゴツした道を、孝宏君と一緒に歩いていくと、急に視界が開けた。  目の前にやや小さめの可愛らしい橋が現れる。  その下に流れている川も、幅が狭くて浅そうだ。  さっき聞こえていた水の音は、この川のものだったみたい。  そのとき―――。  頭が少しズキッと痛んで、私は軽くうめいた。 「どうしたの?!」  心配して孝宏君は振り向いてくれる。 「あ、いえ、大丈夫です。すみません、少し頭が痛くなって……」 「大丈夫?」  頭が痛くなった瞬間、はっきり確信したことがあった。  間違いない………私、この橋を知っている。  それは確信できるのに、なぜだろう……橋の名前は思い出せない。  でも、見たことがあるのは確実だと思う。  そのことをすぐに孝宏君にも伝えた。
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