第1章 7月1日

16/39
前へ
/256ページ
次へ
 それから橋を渡り、さらに数分歩くと、街中に出た。  孝宏君に案内してもらって、さらにそこからしばらく歩いて、交番前に到着。  交番の屋根に付いている丸い時計は、午後六時過ぎを指し示している。  あたりはようやく、少しずつ夕暮れ色に染まってきている感じだ。  さっきまでは少し蒸し暑く感じられていたけど、今はかなり涼しくなったように思う。  交番のすぐそばに立っている電柱を見上げたら、カラスが一羽、ポツンと電線に止まっていた。 「失礼します」  言いながら交番のドアを開けた孝宏君に続いて、私も中に入る。 「はい、どうしました?」  中にいたのは五十歳代ぐらいにみえるお巡りさんだった。  すぐに私たちは事情を説明する。
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加