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「あれ? どうしました?!」
慌てた様子で、その人は駆け寄ってきてくれた。
ふと自分の身体を見ると、地面に座り込んだせいで、ワンピースや膝に落ち葉がついてしまっている。
それで、私が転んだと思われたようだった。
さっき、本当に転んでいたけど。
「あ、いえ、大丈夫です。ちょっと転んでしまって」
私はすぐに答えた。
この声のかけ方から考えると、この人は私を知らないのかな?
私はこの人を見たことあると思うんだけどなぁ……どうなんだろう。
「どこも痛みませんか? よろしければ、病院へお連れしますよ」
いい人だなぁ。
でも、感心している場合じゃなかった。
今の私には味方が一人もいない。
この人を信頼できるかできないかをじっくり考えている場合じゃなく、このまま一人ではどうすることもできないのは明らかだった。
それに…………。
なぜか「この人は信頼できる」という思いが、心の中に芽生えていた。
理由はさっぱり分からないけれど……。
もしかすると、やっぱり私はこの人のことを知っているのかもしれない。
ともかく、そういうわけで、私はその人に事情を話した。
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