第1章 新たな任務

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厳つい顔には似合わない笑顔を浮かべて、手を振るゴルドの店を出た俺達。 「さて、次は…」 「制服…ですよね?」 「そうだな。さっさと済ませるぞ」 「はい!」 アカデミーの生徒が着用する制服なら、服屋にでも行けば置いてあるだろうと思った俺は、服屋を探して再び歩き出した。 歩くこと数十分…。 「なあ、ミナ」 「なんですか?」 歩きながら不意に声をかけたが、すぐにミナの返事が返ってくる。 「服屋って…どこにあるんだ?」 「えぇ!?わからずに歩いてたんですか?」 「ゴルドの店以外はほとんど入った事が無い」 「てっきり隊長が知っているものだと…。私もわかりません」 ミナも分からないか…。 まあ知っていたら、通ってきた店の前で呼び止めるだろうからな。 「困ったな。さて、どうす…」 「きゃあ!誰か!!」 立ち止まり悩んでいると、急に叫び声が聞こえてきた。 「ん?」 「隊長!向こうの方角です!」 ミナが指を差しながら声をあげる。 「うーん。見て見ぬフリするのもなんだな…行くか」 「了解!」 声が聞こえた方角へ向かうと、少女が頭の悪そうな男に絡まれている。 「おらっ!さっさと金出さねぇと痛い目みるぞ!」 「お、お金なんて無いです!」 「おー、やってるやってる」 「隊長!見物に来たんじゃないんですよ」 俺が悠長に眺めていると、肘で脇を小突かれた。 「へいへい…」 「誰か!助けて下さい!」 「大丈夫ですよ」 ミナが落ち着いた口調で少女に近づくと、俺は静かに床を蹴って男の背後へと移動する。 「うがっ!!」 移動と同時に男の首筋に手刀を当てると、情けない台詞を吐きながら倒れていった。 「はい、終わり」 「えっ?…あ、ありがとうございます!」 一瞬の出来事に、少女はポカンとした表情を見せていたが、やがて状況を多少なりとも把握出来たのか深々と頭を下げた。
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