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休憩時間に窓からぼーっと外を眺める
カップルだろうか
仲良く腕を組んで歩く姿が羨ましい
長く揺れる髪が、昨日別れた彼女を思い出させる
『ねえ、後1分で明日よ。今日私の誕生日だって、知ってたでしょ?』
早く帰れる筈だったんだ
教育係を任されていた後輩の彼女が、昨日までに、得意先に送付している筈の文書を作りもせず、放置していたと知るまでは
部長に彼女と一緒に怒鳴られ
彼女と一緒に残業するつもりが
『子どもが熱出しているので、残業出来ません』
言われた時に、帰宅を認めてしまった
俺、父子家庭だったんだ
母親の居ない子どもの気持ちが、痛い程分かるから
帰して、一人で残業して
走って帰宅する途中で
男と腕を組んで、ホテルから出て来る後輩を見た時のショックは
言葉では表せない
用意していたプレゼントを持って
彼女のマンションへ走って行き
『あなた、仕事と結婚すれば?私たち、別れましょう』
告げられた時
残業して走って来た体の疲労が
ずっしり襲い掛かってきた
「やってらんねえ」
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