第3章

22/23
前へ
/171ページ
次へ
「瞭、愛してる」 柔らかい頬の内側を 歯茎を こんなにも 丁寧に 触れたことなど なかった 「んっ・・・・・・んぁ、ぁ」 「瞭・・・・・・駄目だ、見せらんねえ。送って行くから帰れ。家で俺を待ってろ」 ぼーっと もやのかかった 頭に、セクシーな 貴文さんの声が響く 今まで、どれだけ 貴文さんに 手加減されてたのか このキスで 理解出来た・・・・・・ 無理かも 「お、お帰りなさい。貴文さん、早かったんですね」 「ああ、中山に触られた場所を俺で塗り替えたいからな」 うっ その笑顔 凶悪すぎて 怖いです 「んんっ・・・・・・はぁ、あ、あっ」 ドキドキする 息が乱れ 呼吸が苦しくなるたび 貴文さんの 動きが止まって 気遣ってくれるから 「大丈夫か?」 優しく   囁いてくれる もう、こんな時にも 大事にしてくれる 貴文さんが 大好きです 「貴文さんっ」 空気を遮断して スッポリと 暖かく 覆っていた 温もりが離れていく 浅い呼吸を繰り返し 涙を流す 俺を見て 困ったように笑った 「今日は良く泣くな」 優しい手が そっと涙を拭ってくれる 「お願い。お願いだからっ、もう少し」 手加減して下さい 言いたいけど 愛人を作られたら 嫌で 言えない 「瞭?どうした」 「んっ、何でもない。ただ、貴文さんの好きにして欲しいって、はぁ・・・・・・ああ、ん、あっあ」 「瞭・・・・・・愛してる」
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2148人が本棚に入れています
本棚に追加