第4章

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「男性は部屋の隅に下がって、私が良いと言うまで黙ってなさい」 凛とした声が 聞こえて 看護士と セクシーな女性が 近付いて来る 「瞭君。目が覚めたのね、血圧と体温計りたいんだけど、触っても良い?」 「はい」 「じゃあ、計るけど怖いと思ったら言ってね?」 血圧計が収縮して 身体を押さえ付ける 男の手と 重なった 「怖っ、いや、怖い」 「怖いわね、そうよ。怖かったのよね?よしよし、私が傍に居るわ」 俺の目を 覗き込んで セクシーな女性が トントンと 肩を叩いて 語り掛けてくる この人 誰だったかな 知ってる人だ 「ねえ瞭君。おばさんと少し話をしてくれる?」 「おばさん?おばさんじゃないでしょう。もっと、若く見えます」 前にも・・・・・・ 誰かが 「辛い思いをしたの、覚えてる?おばさんも、瞭君と同じ。昔、辛い思いをしたのよ」 柔らかい手で 俺の手を 優しく 包み込むように 握り締めて 「怖くて、苦しくて、やめて欲しいのに、やめてくれないの」 「はっ、ぁ、嫌だ。嫌」 怖くて 苦しくて 「そう、やめてくれなくて辛かった。そうよね?嫌だったのよね」 「嫌、やめてって、離してって、何度も頼んだのにっ、聞いてくれな」 そうだ。俺 強姦されたんだ 「辛かったわ、辛かったわね。抵抗してるのに、抵抗にならなくて、圧倒的な力で犯されて、怖くて、怖くて、何日も外に出れなかったわ」 「押さえ付けられて、退いて欲しくて、抵抗した・・・・・・のに」 怖かった 俺が叩いても 押し退けようとしても 笑ってて その表情を見て 理解したんだ 俺は、この男に 犯されるんだって
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