第八話  強く…、迷わず

7/21
前へ
/21ページ
次へ
純の言っている事は、晃司には予想がついていた。 アキが誰かをずっと愛し続けていることも、たくさんの事を一人で抱え、苦しんで来ていることも…。 「純、アキの本心を知って、お前はアキの事をあっさり諦められるのか。 見守るなんて奇麗事言ってるが、自分の想いを抑えたままアキを見守る事が、どれだけ苦しいことか、お前は分かって言ってんのか。 お前は甘いんだよ」 と晃司は純をバッサリと切った。 「正直、諦めることなんて出来ねーよ…。 見守ることがどんだけ苦しいかなんてことも、俺にはわかんねーし、甘いかもしんねー。 だけど、そうしなきゃなんないって思う。 例え、アキが俺を受け入れてくれなくても、俺の想いが一生アキに届かないとしても、俺はアキの笑顔を見ていたいから」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加