second X'mas

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シャワーの音が止まる。 あの男が、出てくる。 服を元通り着ていたら、『する』気はなしだ――そう、思って待った。 その気のない男に言い寄るような恥晒しをする気はこちらにもない。 出来れば、服を着ていて欲しいと。 そう願っている自分に、気付いてしまった。 あの男の本性など、別にどっちだって構いやしないはずなのに。 ――なのに。 「なんでそう……」 「気が付いたのか」、と言いながらバスルームの方から出てきた男の姿に、頭を抱えた。 飲み過ぎた酒がまだ残っているのか、鈍く頭痛がする。 「着るか脱ぐか、どっちかにしなさいよ」 「何あんた、俺の裸見たかった?」 テーブルの上の飲みかけのペットボトルではなく、備え付けの冷蔵庫から彼は冷えたビールを取り呷る。 一気に半分くらいは行ったんじゃないだろうか。 まだ飲むのか、と、呆れて頬が引きつる。 「煙草吸うんだ、あんた」 半分以上灰になった私の指の間のものを指して、男は言った。 勝手に拝借したことを言い訳する気も起きない。 上半身裸のまま濡れた髪をタオルで拭いている男は、下にはベルトまではしないまでも、履いていたパンツをきちんと履き直していた。
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