second X'mas

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「何飲む?」と言いながら、彼は冷蔵庫を開ける。 適当にお酒を選ぼうとする彼を制して、テーブルの上の水を取った。 「お酒はもういい、明日に障る」 「なんだ、付き合えよ」 「めんどくさー……」 この人だって接客業のくせに、酔いも匂いも抜けきらないんじゃないだろうか。 少しだけ心配になるが、思い直す。 自業自得だ、知ったこっちゃない。 「ヤケ酒にはもう付き合えないけど、そっちならいいよ」 と、吸いかけの煙草を指して要求する。 「さっきは勝手に吸ってたクセに」 苦笑しながら男は箱を差し出した。 1本抜き取る。 さっき無断でもらった時よりも中身が増えているのに気付いて、これが2箱目なのだと分かった。 さっきの居酒屋でも、ゲレンデで一緒した時も、そんなにチェーンスモーカーというイメージはなかったのに。 さっきから、男は終始笑っている。 けど、無理してるんだろうか。 生々しいほどの傷口をあからさまに見せようとはしない、けど、ふとした瞬間の沈黙や表情は確かにそれを物語っている。 ――ここまで付き合わされて振り回されてやってるんだ、これ以上心配してやる義理はない。 気がかりは振り払い、もらった煙草をくわえると、ライターを借りようと手を伸ばした。 「……?」
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