second X'mas

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彼がどんな顔をしているのか、無性に見たくなった。 腕の中で、膝の上で、無理やりに向きを変える。 跨った不安定な姿勢で、バランスを保つために首に腕を回すと彼は腰をしっかり支えてくれる。 「何コレ、やらしいね。こういう体位が好きなの?」 男は言いながら苦笑する。 そのまま目の前にある私の胸元に、軽いキスを落とした。 笑っている、確かに。 笑っているのに。 涙が零れている、ように見えて、私はその目尻を何度も拭った。 「傷ついたのね」 「――誰が?」 「いいよ」 「……何が?」 「彼女なら抱けるの? 代わりにしても、いいよ――今日だけ」 彼が誠実だったのは、相手が由紀ちゃんだったからだ。 多分私にはそうではないし、それなりに遊んだこともある人だというのは一連の行動から何となく分かった。 傷付いている、目の前の人を。 今慰められるのなら、たった一晩くらい。 本気で、そう思った。 恋愛感情など微塵もなくて。 自分の中の『欲』のためでもなくて。 ただ彼が、泣き止むならと。
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