second X'mas

24/40

101人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
ふ、と、彼が小さく笑った気がした。 自嘲なのか、それとも私を嗤ったのか。 腰にまわった手が片方、すりと背中を伝って上る。 引き寄せられるままに身体が密着して、喉元を舐められると小さな声が漏れた。 そんなことをするから、『その気』になったのかと思ったのに―― 「据え膳ならいただくけど。『代わり』なら、辞めとく」 「――は?」 なんで? だって。 「……私じゃ勃たないクセに」 「だからマジで、酒のせいだって。不能扱いするのヤメテもらえますかね」 「……年寄りめ」 「それも嫌。次オッサンって呼んだら本気で犯すぞ」 「良く言うわ、使い物にならないモノぶらさげて」 「お前……」 つい直前まであったはずの『空気』が、一瞬で霧散した。 そもそもソレが本当にあったのかどうかすら怪しいほどに、自然に。 苦笑いを浮かべた男が、私の鼻を摘まむ。 抵抗すると、そのままするりと膝の上から降ろされた。 「『代わり』なんて軽々しく言うなよ。結構きちーぞ。お前女なんだから、尚更」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加