ミライに繋ぐ恋のおと。

積み重なる、ぬくもり。

「んじゃ行こー」

　と言って自分から手を繋いでくる。その割には、

「そんなに焦らない」

「あっ……うん……」

　急ごうとする手を引き顔をじっと見つめると、頬を赤らめる。

　彼女は今まで誰とも付き合ったことがなく、俺が初めての彼氏らしい。だからなのか、こんな反応はしょっちゅう。

　これはこれで構わないが、慣れてほしいというのが本音。

　好き……なのかな？正直微妙……。

　ウェルカムゲートであるフェニックスアーチをくぐり、元町ショッピングストリートへ。

　このフェニックスアーチはショッピングストリートの両端にあり、『翔べ光の中へ』という意味を持つ。

　その先に待つは、150年もの歴史を誇るモダンな商店街。