294人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっ……人に見られちゃうよ?」
「こんなとこ、わざわざ来る人いないって」
「でも……」
「しばらく、こうしていたいんだ……」
「…………」
「……お願い」
ドクン、ドクンという心臓の音が身体に響く。
彼女もその音は聞こえているはず。
前に進む。その気持ちはあるけれど、今の自分には抱きしめるのが精一杯。
多分、本能はもっと触れたがっている。だけど理性がそれを止める。
それ以上は、彼女を傷つけるかもしれない。大事にしないと、駄目。
最初のコメントを投稿しよう!