第1章

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僕と優斗は、学園内のアイドルだった。 エスカレーター式の学園で、男のコなのにかわいいとレッテルを貼られていて、男子からの告白、痴漢はあたりまえだ。 優斗に出会ったのは、痴漢をされて、電車から降りたホームだった、掃きそうな程気持ち悪くて、うずくまっているところに、声をかけてくれたのがきっかけだった。 最初のうちは、気持ち悪かった僕は。男も女もOKな優斗を見ていて意識的なものが代わった。 優斗に誰からかもらったからとヘアピンを付けられて、にこりと笑う。 ぱふりと大きめのジャケットを、羽織るとペンギンのようだといわれ、優斗に笑われた。 優斗は、切れ長の眼に、狐のようだといいかえした。 狐とペンギン。 俺は、狐には勝てないらしい。毎年恒例の男子人気コンテストでは、いつも2位。 狐は、美人で頭もいいから、誰にでも人気だ。 前、なんて、女性教師に告られたと自慢してきた。 僕は、優斗に、恋心なんて持ってない。 親友から上がることもさがることもない。 ずっと、親友のままでそばに入れるだけで、満足だったし。 受けっコ二人と学園では知られていて、「兄弟みたい」 と思われているから、優斗は、僕の頭を撫でてくる。 実際、優斗は、僕より2歳上だ。同級生なのは、外国帰りで、日本の勉強が遅れていたことが原因だった。 親が一から日本の勉強をさせたいと、学園にお願いしたらしい。 優斗が外国から帰ってきた理由は、母親の祖母が、病を患ったから、祖母は、数年前亡くなった。 優斗が中学の頃だった。外国に戻ると言う話しになったが、僕が引き止めてしまった形になった。 僕は、優斗から守られていたから、「中学の卒業まで、優斗がアメリカに帰るまでに、恋人を作る」と公言した、適当に仲良くなった同級生にからかわれて、笑い者にされてしまった。 引き篭りになった俺を外に出してくれたのが優斗で、優斗の知り合いや恋人やらが構ってくれて、笑えるようになった。 優斗は、僕にとってとても大切な親友なんだ。
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