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触るな。気持ち悪い。吐き気がする。しゃがみ込んだ、駅内で、「大丈夫?どこか悪いの?」と僕の肩を優しく叩いた男の子は、僕と同じ学園の制服に、セーターに星のバッチを付けていた。
「…大丈夫。少し酔っただけだから」
「そっか、俺、崎本 優斗、君は?」
「…大翔…金森大翔」
「大翔くんね、俺と同じ制服ってことは、水嶋学園だよね?」
「そうだよ」
手を差し延べられ、立ち上がる。
「俺、迷っててさ、一緒にいってもいいかな?」
僕より、背が高く、大人びた声に、安心感を覚えた。
「いいよ。」
駅内を出て、通学路を歩き出す優斗と俺より先に歩いていた生徒達が振り向いては噂していた。
目立ちたくないとおもう僕を尻目に、優斗は、店先の人に、にこにこと挨拶を交わしていく。
「…あの店の人達とは知り合い?」
「違うよ?」
「人見知りとかしないのか?」
「しないかな。父親が、花屋しててさ、配達先によく遊びに言ってたから、自然と」
「へぇ。うらやましいな」
「慣れだよ。」
そんなたわいない話をしながら、学校に着くと、女性と先生が、待っていた。
僕に「ありがとう」というと、優斗は、女性を見つけて走っていった。
女性に怒られているみたいだったけど、
僕は、教室に、向かった。
「おはよう。大翔君」
と高学年のお姉さん達を皮切りに、部活の先輩、同級生のコ達から挨拶され、いつものように、挨拶を返す。
教室にはいると、何時ものように、手紙が2~3通あり、読まずに鞄に押し込んだ。
男の子からの手紙が大半で、前は、靴やらシャープペンやらが盗まれていた。
机のなかをチェックするそれが、僕の日課だった。
チャイムが鳴り響く。先生が教壇につくと日直の号令が響く。
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