第1章

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「大翔、ありがとな。女子に攻撃的に話されてさ、疲れたんだよ。」 「ああ。」 奏は、何時もの屋上で待っていた。 「大翔、転校生さんと来るなんて聞いてないんだが?」 「わりぃ。負けた。」 「なにに?」 簡単な挨拶をしてから、三人で囲んで弁当を食べていると他にいた生徒達がちらちらとこちらをみていた。 頼むから目立たないでくれ。そんな願いも虚しく。屋上にいると誰かがメールを送信したがために、屋上は、青空ランチの空間と化していた。静かに食べたい。 食べ終わると写真会だ。いつもは、陰からとるコ達なのに、気さくな優斗がいるせいで、僕まで付き合わされるはめになった。 「大翔君、優斗君、写真とってもいい?」 「一緒にとりたい」じゃなく、俺達二人の写メが欲しいらしい。 優斗は、アドレスとか交換してたけど、僕はいつものようにそっけなく対応していた。僕も新入生だった頃は男女問わず教えていたアドレス。ストーカーがついたり、夜や朝の電話は当たり前、メールは知らない人からきたり、嫌がらせメールが着たりと、毎日落ち着かなくて、アドレスをかえた。
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