序章

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  「長谷川ぁ~! お前何やってんだ!」 室内に、新鹿(アタシカ)先生の怒鳴り声がこだまする。 正直、耳が痛い。 「ごめんなさい!」 文菜(アヤナ)が謝る声も聞こえてくる。 「謝って済む問題じゃねぇだろ! お前は死にたいのか! それとも殺す気か!」 私はそれを、座り込んだまま動けない状態で聞いている。 恐らく、ただでさえ青くなっている顔を、更に青くしていると思う。 「ごめんなさい~!」 「いつまで謝ってんだ、馬鹿者が!」 文菜と新鹿先生、両者の怒鳴り声で耳が痛いけれど、それ以上にお尻が痛い……。 私は、実習中、友達であるはずの長谷川 文菜に……。 殺されるところだったのだ……。  
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