秘密のチョコレート

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子どもはいずれ巣立つもの。 今、彼女と一緒に暮らしたとしても。 ボクが、彼女の子どもでいる限り。 いずれは、パートナーを見つけ。 巣立たなければならない。 いちごちゃん、大丈夫。 今は辛いかもしれないけど、きっと楽しいよ。 いつもいつも、ボクの気持ちを妹が吐き出してくれる。 ずっと、ずっと昔から変わらない。 妹だって、ボク以上に彼女のことが大好きだし。 まして、女の子だから。 彼女に相談したいことだって、たくさんあったはず。 けれど、妹はいつもストレートに、ボクと父に感情をぶつけてきた。 それが、彼女と似ている。 父は、そんな風に言っていた。 そのことで喧嘩にもなったけれど。 今、振り返ってみると。 妹も、ボクも。 とても、嬉しいことだった。 大丈夫、帰るなって言われても。 辛い時には帰ってくればいいんだから。 妹はそう、はっきりという。 たしかに、父は帰ってくるなとは言っていないらしい。 彼女が、勝手に自分で決めたことなのだろう。 一度決めたら、なかなか意志を変えない彼女を。 父は愛している。
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