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溝に膝を、めり込ませた五月は苦しむ俺など気にもせず。そして直ぐにネクタイを捻り上げ顔を上げさせ、悪魔の様な笑みを浮かべながらこう言った――――
「お姉ちゃんの神聖なるパンツ……パンティ見たんだからもう、その目いらないよね?だってこれ以上の良い物なんて今後見れないしさ?」
パンツをパンティと可愛いらしい言い方に変えたのに何の意味があったのか良く解らないが、とにかく俺は即座に両目を守る為に口を開いた。
「いやいや!来年の初日の出とか、来週のサザ◯さんとか再来週のサザ◯さんとかだって観たいし、まだまだ両目が必要なんです僕……はい」
色々と美しい物を想像しようとして出たのが初日の出だけで、後はサザ◯さんだけで埋め尽くされた両目の使い道に五月は、これまた恐ろしい笑みを浮かべて耳元で囁いて来た。
「大丈夫。お姉ちゃん優しいから耳は残してあげるし、来週のサザ◯さんも再来週のサザ◯さんも声だけで内容解るでしょ?うふふ」
「いやいや!やっぱり映像観ないとあのアニメの味の良さが半減……」
まだ喋ってるにも関わらず既に五月の人差し指と中指が綺麗なVの字を描き俺の目元へと向かい繰り出されていたのだった。
そしてネクタイを掴まれたいた為にかわす事は不可能と判断した俺は、思わず瞼だけを力強く瞑り眼球の損傷だけはと弱すぎるが今できる最善の防御姿勢に入っていた。
「ばぁか。本当に潰す訳ないでしょ?大体、あんたにパンティ見られたくらい何にも減らないわよ」
瞼を閉じ防御姿勢に入っている俺へ向かい言った五月のその言葉に安堵し目を開けたら――――
「…………何よ?」
と、見たことも無いような乙女のような顔をしながらそう言って頬をうっすらと赤らめモジモジしている姉の姿が、そこにあった。
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