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「そんな卑弥呼様ぁ!みたいに言うか!てか本当の話しなら絶対に五月にも原因があるはずだ!」
「クスクス。嫌ねぇ六ったら。前任のパシリにもしかして嫉妬?ジョークよ。彼は生きてるわよ」
「パシリ何かで嫉妬するか!ってジョークかよ……んっ?待てよ。ならその一樹さんは今は何処へ?」
俺が、そう尋ねると五月は表情はニコリとしながら手を自分の胸の所に持って行き目を綴じながら、こう言った――――
「ここよ。一樹は今でも私の胸の中で生き続けているわ」
「やっぱ死んでるんかい!てか、そんな漫画ちっくな台詞で言ってんじゃねぇよ!」
自殺の理由に何故に、こんなにも自分は関係していないと思える発言が出来るのかと俺は呆れるよりも五月を人間として疑った。
「何よ、そんなに睨んで。だからジョークだって言ってるでしょ?一樹なら転校しただけよ親の仕事の都合でね」
「何だよ……驚かすんじゃねぇよ全く」
本当にジョークで良かったと、この時は本気でそう思った。
もしも一樹って人が本当に自殺していたなら100%五月のせいのはずだからだ。
五月のイジメを日々受けている俺には痛々しいほど、その時の一樹さんの気持ちが解る。
(親の都合に今頃は感謝してるだろ。何にせよ本当に良かったな一樹さん……五月から解放されてさ)
本当の事実を知った俺は窓から何処かに居るであろう一樹さんへ向け心の中で、そう呟いたのだった。
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