第1話 赤の少年と出会う

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「あ、あの」 「ん?」 「い、頂いても宜しいでしょうか?」 あんなに嬉しそうに声をあげ喜んでいたのにまだ食べていなかったのかと思いながらも了承の意で召し上がれと足せばまた「わあ」と感嘆とも取れる嬉しそうな声を上げた。 「頂きまーっす!...あ、コッチではこういう風に両手を合わせて食事を作った人と食材を作った人への感謝を込めて頂きます、と言うんですよね?」 こういう風に、と言われたとしても見えないのだがその言葉と同時に両手を叩いたようなパンッ、とした音が辺りに響いたのできっといつも日本人がやる動作だろうと推測する。 「ああ」 何故そんな'当たり前'な事を聞くんだと思案しながらも肯定すればまた聴こえる頂きますの声 今度は少し声のボリュームが小さかった。 「んん...美味しい、です!これ貴方が作ったんですか?ってそうだ、貴方の名前聞いてもいいですか?」 「...これは昨日俺の妹が作った、あと誰かの名前を聞くならまず自分から名乗れ」 今さっき会って拾った怪しい奴に名前を教えるのは気が引ける。 もしかしたら怪しい奴かもしれないんだ。image=488719834.jpg
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