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きっと今のは部屋から出て行くためにドアを開け閉めさせた音だろう。
時計を見ればもう既に7時半を過ぎていたので流石にこれ以上寝てたら不味いと思い、布団からのそりのそりと起き上がった。
「そういえばピュロスさん、結局なんで腹空かしだったんだっけ。聞くの忘れてたな...」
今だ冴えない頭でボーッと昨日のことを振り返ってれば思い出すのは最初ピュロスさんを見つけた時のこと。
まぁプライベートに入ることかもしれないし聞かなくて正解か、と思いつつも自分は結構プライベートに入る所にズカズカと聞かれたので思わず苦笑が零れる。
といっても聞かれた事は歳とか通ってる学校とか家族構成とか好きな食べ物とかだから全然聞かれてもいいのだけれども。
ああ、でもこの視えないーーいや、正確には開けない眼の事について聞かれた時はちょっと戸惑ったりした。
そんな事を頭の中で考えてれば幾らか自分に残る睡魔が吹っ飛んだのを感じ軽く伸びをし着替えに取り掛かった。
さて、早く用意して下に行かないと早瀬に怒られる。
*
「おっはよー!2人とも!」
早瀬と一緒に玄関を出れば俺らを待ち構えていた人物がいた、まぁ所詮幼馴染枠の奴だが。
「はよ、光輝」
「おはよう、光輝くん」
「相変わらず藤本兄妹は仲いいねえ」
何処か茶化すように言っている光輝に呆れながら「朝から煩ェよ」と言えばおちゃらけたように誤魔化される
オイ。早瀬もなんか言えよ、黙ってないで。
(※満更気でもない顔をしていた早瀬でした)
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