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「....え?」
隼人は傘から伝わる振動に思わずピタッと立ち止まってしまった。
この振動はなんだろう、と目の前にある筈のモノが目を開けないが為に視えず、隼人は思わず眉を寄せた。
たまに、傘の先端になにかぶつかる事は多々あった。
それは石だったり、棒だったり、はたまたサッカーボールだったり。
だけど今、隼人の傘越しに触れたものはもっとこうボスっと音がしていた。
「柔らかい...?」
そう、例えるならば布のようなそんなもの。
石や棒、サッカーボール特有の硬さはまったく無く布や布団、生き物の様なそんな感触が隼人には伝わっていた。
「...んー...?なんなんだよ...」
眉を寄せていた隼人は頭の中で少しばかりの好奇心を抑えながら、再び目の前のモノを軽く傘でつっついていた。
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