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耳元に触れる吐息混じりの声は扇情的で、元々美声の彼に色気たっぷりに囁かれると、それだけで腰の奥が熱くなるのだ。
「そんな…煽んないでよ…困ってんだから」
「いいから…はやく…俺が……我慢できないよ」
野獣モードに戻った俺は、いや、俺たちは、久しぶりということもありあっという間に果てた。
「…もっと……」
「もっと………何?」
「意地悪すんなよ…いまので足りるわけ無いだろ…」
達した余韻に濡れた瞳で見上げられれば、自分のスイッチが入るのがわかる。
「エロモード全開の長谷川さんて…ツボだ」
「あんまり焦らすと…しばらくお預けにするぞ」
「そんなの…長谷川さんだって我慢できないくせに」
ニヤリと痛い所を突いてやる。
「じゃぁ…逆」
「逆?」
「感じてもイけないツボをこれでもかってくらい念入りに押してやる。そしたら何回やっても俺しかイけないぞ?」
俺の首に両腕を回した長谷川さんがニヤリと笑った。
「え…マジで? …そんなツボ…んっ…」
「んぅ……ン……ココと……ココを‥こう」
「わぁっ……ちょっ……ン……待って…分かったっ…分かったから」
俺にキスしながら足の付け根と首の後ろを同時に押そうとする腕をどうにか引き止め、手の平を彼に向け降参の意を表した。
「もう…長谷川さんの好きなようにするよ。イけない体になっちゃったら俺死ぬモン。…で。どうして欲しいって?」
「焦らすなって言ってんの…。もう…ン……」
「なんか…長谷川さん…最近…積極的だよ…ね」
焦れた彼が俺の首筋に吸い付き、舌を鎖骨から胸へと滑らせていく。元々男前な性格ではあったが、以前はこうした営みの時はもう少し…何というか遠慮のようなものがあった。俺が一方的に押し倒され濃厚な愛撫を受けるなんて、留学前の長谷川さんには有り得なかった。
いや。あったとしてもそれは 「奉仕」 の類だ。俺を気持ち良くさせる為のものという確かな意思表示が感じられた。だが、今の長谷川さんは、ただ純粋に俺を愛撫している。気持ち良くさせるためではなく、俺の体を愛し、欲しているのだ。
「エロい顔……」
「エロいことしてんだから…当たり前だろ。…それに…男っぽい俺は嫌なのかよ」
「まさか…嫌だったら俺の息子がこんなコトになってるわけないし。…ホント、欲情した長谷川さんて…超エロい…」
「ホラ…オマエも男なら…コレで泣かして見ろよ…俺を」
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