第5章

2/27
前へ
/226ページ
次へ
新入社員が馴れて来た頃、社内のバーベキューが毎年開催される。 車で一時間ほどの河原に午前11時集合。 私は新子と一緒ににぃに送ってもらった。 新子は主任と行けば?なんて言うけれどそんな事出来る訳がない。 別に社内恋愛が禁止ではないけれど、なんとなく恥ずかしくて言い出せずにいた。 主任も敢えて何も言わないし。 準備係の人たちのお蔭でスムーズにバーベキューは始まった。 今年の新入社員は5人。 うちの課には配属されなかったけれど。 お蔭でいつまでたっても私は下っ端のままだ。 「いいなぁ新子のとこ」 やっと新人が入ったと喜んでいる新子。 「来年こそは新人入ってくれないと」 「上が居なくなったら誰か入るんじゃない?」 「それっていつ?」 アハハと笑う新子。 みんなビールの入ったプラスティックカップ片手に肉や焼きそばをつつく。 「飲んでるか?」 部長がすでに赤い顔になって近づいてくる。 「あ、はい。頂いてます」 カップを顔の横に掲げると満足げな顔。 「こんな時にこそほかの課の奴と顔合わせしとけよ」 「はーい」 部長の言ってることはよく分かる。 でも、どうしても課で固まってしまう。 グループがいくつかできているが、全部課で別れてる様に見える。 私と新子だけがどこにも属さず二人で居るから逆に目立つのかもしれない。 「主任のとこ行かなくていいの?」 新子が言うからつい目線がそっちを見てしまう。 主任の周りには若い子が数人男女問わず集まっていた。 「あの中に入って行けって言うの?」 「あ~ま~無理だね」 楽しそうに飲んでる姿を見てるだけ。 チラっともこっち見ないし。 「でも今ラブラブ中なんでしょ」 「そんな事ないと思うけど」 何をもってラブラブなのかが分からないし。 「エッチは?」 「ちょ、あんた何言ってんの!」 周りに会社の人が居るのになんてことを! 「いいじゃん。誰も聞いてないってば」 「それでも止めてよ。それにそんな事してないし」 「え?」 「とにかく、肉食べよ。肉」 皿にお肉を入れてもらうために焼き係りの人の元へ向かう。 ―エッチなんてしてないもん SEXって付き合ってどれくらいでするものなんだろうか? 修二とはすぐにそういう関係になったけれど・・・ 主任とはまだキスしかしていない。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2138人が本棚に入れています
本棚に追加