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『……――の影響で、今日は全国的に青空が――』
天気予報を伝えるアナウンサーの明るい声が、朧気だった僕の意識を覚醒させる。
ゆっくりと長い息を一つ吐き身体を起こすと、薄暗い部屋の中でテレビの光だけがその存在を主張していた。
朝、か。
消し忘れていたテレビの電源を落とすと、辺りはすぐに静寂を取り戻した。
この時期は夜が長い。
窓の外へ目を向ければ、澄みきった空にはまだ星達が輝いていた。
その中の幾つかを指先で繋ぐと、北斗七星が浮かび上がる。
貴女にもこの星座が見えますか?
すぐ隣に居る筈なのに、決して交わることのない貴女にも。
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