第1章

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「ピカ君からのメールには2つの指示が書かれている。1つは、〈平仮名と「+」に気を付けて〉だ。「+」に関しては足し算で問題ないだろう」  次は、と言って霧宮は説明しながらさっきの文の下に書いた。 「2つ目の指示は、〈SHはいつも一緒に〉だ。〈いつも一緒に〉。つまり、SとHは隣合っていなければならない」      wあkあrえmあshおう 「そして〈平仮名に注目して〉は、この平仮名をローマ字にすればいい。仁摩、拗ねてないでやってみろ」 「別に拗ねてねーし」  頬を赤くした仁摩は、霧宮からペンを奪うと続けて書いた。  WaKaReMaSHou――わかれましょう 「なっ! 何だよこれは」  最初に霧宮が書きつけた一言と見比べながら仁摩は言った。そこにも霧宮の筆跡でただ一言「わかれましょう」と書かれていた。
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