序章

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side S 俺は、真っ赤な炎の中にあるアパートに迷わず飛び込もうとした。 「アンタ、死ぬ気か!」 そんな、叫び声と共に俺は知らない誰かに抱き止められる。 チクショウっ、離せ! 「離せ!離せよ!」 あそこにはまだ…俺の帰りを待って 「よーさん、よーさん!何処にいるんだ、返事しろよ、よーさん!」 俺の声は、赤い炎に飲み込まれ…。 誰も返事をしてはくれない…。 程なく、火は消され… 俺の目の前には炭のように真っ黒な瓦礫があった。 アパートはもう… ない よーさんも… もう… いない…いないんだ。 ヒラリ…ヒラリ… 目の前に白く小さい花が舞っていた、触れると冷たく消えてしまう… その花の名前を思い出した時… 今日がクリスマス・イブだということに気付いた。
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