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煤けた匂いが目に染みる…。
よーさん、熱かったよな。
苦しかったよな…。
「ごめん…ごめんな…。よーさん。」
俺は酷いヤツだな…涙もでてこない。
ただ…ただ…
「いてーよ…。よーさん。」
「呼ンダ?」
機械の様な…それでいて温かな声がした。
目の前には、煤だらけの…カラス?
「呼ンダヨネ、今。」
カラスは首をかしげながら、俺を見た。
そして…
「武チャン、よーさん、呼ンダヨネ?」
「よーさん…足あるか…?」
「アルヨ。」
そう言うと羽を広げてバランスを取りながら、片足を上げる…カラス?
「よーさん!」
ガシッと音がするくらい激しくカラスモドキ…じゃなくて、よーさんを掴み上げた。
「何処に行ってた!心配しただろうが!」
「ゴメーン、ゴメーン。よーさん、コレ持ッテタカラ…脱出二時間カカッタヨ。」
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