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side O 玄関のドアを開けると暖かな光ととてもいい香りが広がっていた。 廊下も心なしか…輝いて見える。 「ツッキー…何だか世界が輝いて見えるよ。」 「左様でございましょうとも、綺麗に掃除されておりますから。」 ツッキーは壁を人差し指でなぞり、ホコリがないことを確認しながら淡々と肯定した。 だけどね、ツッキー… 壁にホコリはつかないと思うの。なのにツッキーったら 「何と、ホコリがございません。」 って感動していた。何故? その後もツッキーは電球が白いとか鏡にウロコが無いとか…逐一感動していた。 リビングの扉を開くと、キラキラ輝いていた。 「何と…何という事でしょうか!人が人が生活出来ますよ、この家!」 ツッキーはガクガクと僕を揺すった。ヤバい脳ミソが…。 散々揺すった僕を放置して、ツッキーはおそらく学園の誰もが見たことのない程の輝かしい笑顔と軽やかな足取りでキッチンに向かった。 ちょっちょっと、それ…それは僕が最初に! 慌ててツッキーの後に続いた。
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