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キッチンには…
割烹着を着た、可憐な嫁がいた。
そこに、花も星もないことは解ってる。だけど、僕の目にはそこに花が舞い、星が輝いていた。そして、貴方しか見えない。
スローモーションで貴方は振り向く、そしてニッコリと笑って
「お帰り。」
菜箸を握る手を掴み取り、自分の元に引きよせる。
「ねっ、絶対幸せにするから結婚しよ。」
「おり…んっっ…。」
甘い唇に誓いの口付けを贈る。
びっくりしたのか、照れてるのかな
目尻まで赤くした貴方は本当に初々しい花嫁そのものだよ。もう、このまま初夜でいいよね。
「ねっ、yesって言って。」
僕はもう一度口付けようとした時に
衝撃が顔面に走った。
「この、変態助平が、セクハラすんじゃねーです。」
顔面にお玉が当たったのを理解した後、僕はフェードアウトした。
次に目が覚めた時、僕はツッキーのブリザード級の視線の冷たさにさらされていた。
ツッキーは綺麗な絶対零度の笑顔を振りまいて
「月夜野はこれで帰りますが、これ以上のセクハラは…判っていやがりますよね。」
僕はこくこくと頷き、起き上がった。
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