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side S 抱きしめられているのに、不思議と嫌悪感も恐怖感もない。 むしろ、その温もりが心地いい。 何でだろう…初めからハイテンションで、キスとか色々してくるし…。 嵐に怒られてばかりでダメダメな感じなのに…。 俺に届く全ての感情は、優しく温かい。 「ね、頑張って病院に行ったから…ご褒美ちょいだい。」 「ご褒美…?」 「うん、いつもなんて言わないからさ…二人の時は名前を呼んで。」 冬也って呼んでと、更に深く抱きしめられる。 その瞳は熱を帯びたように潤み俺を見る。 ドキドキするのは気のせいだろうか…。 うん、きっとまだしらなくていい感情だ。そう…きっとまだ…。 とりあえず、 「考えておく。さ、蕎麦とかき揚げしかないけど夕飯にしよう。」 俺は、トンと織部の胸を押した。 「ちぇ~。あっそうだ、武司さん…あなたは僕が守るからね。絶対な約束。」 小指を立てて彼は微笑む。その指に自分の小指を絡めたら 「指切りげんまん~。嘘つかないから、キスさせて…。」 ゆっくりと深く口付けが降りてきた。 俺は、目を閉じて動けずにいた。 Happy new year. どこかでそんな声が聞こえた。
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