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side S 3日も織部と一緒に過ごすと、概ね分かって来たことがある。 織部は生活不適応者だ。 片付けられない人間だった。 本人に悪気があるわけでもなく…。無意識化なのだろうけど、一人に出来ない。 一人にしたら…たちまち部屋がゴミ箱になってしまう。 そんな訳で俺は、始終織部の側にいる。 織部は、そんな俺を鬱陶しがる姿も見せずにいてくれる。 ボーっとしているとセクハラされるから気を付けてはいるけど… 今も、 「ひうっっ…。」 織部の手は、俺の腰回りを這いずっている。 恥骨から腸骨を掴む様に撫で上げる。 ゆっくりと服の中に手が入り脊椎から肋骨の一本一本を指先が辿っっている。 「やっっ…ダメだっ…はぅ!」 カクンと力が抜けたところを柔らかにうけとめられて、 気付くと 織部は俺の上に跨って、押さえ込まれていた。 嬉しそうな笑顔を見せて、 「佐野さんの負け~。」 と俺の瞳を覗き込む。この三日間で始まったゲーム。 俺が崩れたら、キス一回。 俺は、このゲームがいつ始まったか覚えていない…。 織部は優しい…多分…嫌だと言ったら このゲームは終わる。
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