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side O
「オ邪魔シマース。」
そう言って、廊下から現れたのは、30センチ位のちまい灰色の鳥だった。
「よーさん。」
甘さの中にキラキラが含まれた様な声が聞こえたと思うと、目の前の人は灰色の鳥に向って走り寄った。
「武チャン!」
鳥も飛び跳ねた。そして、佐野さんはとても大切なものを抱きしめるように優しく灰色の鳥を受け止めた。
「よーさん、よーさん。会いたかった。」
「武チャン、武チャン…よーさんモウ離レナイヨ。」
そうして、その鳥は…顔をズラして僕を見た後、ニヤリと笑った…気がする。
鳥の目は言葉よりも確かに、俺に伝えていた。
オ前ニ武チャン ハ 渡サナイヨ。
僕は、年末に敵と出会い…新年早々に小姑に出会った。
マジかよ…。
僕の最愛のあの人は…手に入れるための試練として、敵と最強の盾を持っていた。
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