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佐野さんは、灰色の鳥を肩に乗せて僕のところにやってきた。
そして、
綺麗なキラキラ笑顔で
「織部、ヨウムのよーさん。俺の大切な家族で相棒。よーさん、この人は織部さん俺の…なんだろう…。」
顔が段々と朱に染まっていく…
ふむ、ちゃんと意識はしてくれているか。
「え~恋人って言ってくれないの~?」
途端、ボンっと音がする位の早さで、佐野さんは真っ赤になった。
ふふっ可愛いなぁ。思わずその頬に触れようとした時、グサっと何かがささった。
「よーさん!」
「…っつ。」
鳥のヤツ…刺しやがった。嘴で。
真っ赤だった顔が真っ青になって佐野さんは俺の手を見た。
「ごめん…ごめん、織部。」
そう、何度もごめんとつぶやきながら細い指で手当てをしてくれた。
あんまりにも、謝るからイジワルをしたくなった僕は
「僕は単純だから、佐野さんがキスしてくれたらすぐ治るよ。」
ウィンクつきで言ってみた。すると、僕の唇に天使の羽が触れた。
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