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「仕方ガナイダロ。よーさんニハ武チャンダケ。」
鳥はチラッと僕を見た。
「何デ、武チャンナンダヨ。オ前ハ雄ジャン。」
「そういう鳥は女の子な訳?」
「よーさん、鳥ダカライイノ!」
「男の子なんだぁ~。おっかしいねぇ~、鳥の君は良くて、人間の僕はダメなんて理由になんないよ。」
「人間ノ雄ハ武チャンニ酷イコトスル。よーさんノ好キハ、武チャン笑ウ。」
そして、初めて鳥は僕を見た。
「人間ノ雄ガ武チャンカラ全部取ッタ!オ医者サン…ダッタノニ…武チャン…。」
鳥は泣かない…だけど…君は泣くんだね。貴方が慈しむこの鳥は、貴方の幸せだけを願ってる。
「ねぇ、手を組まない?僕はあの人を幸せにしたい。君はあの人に幸せになって貰いたい。」
僕は手を差し伸べる
「利害の一致だよ。少なくとも僕はあの人を傷つけない。」
鳥は、じっと僕を見つめたのち、小さく息を吐いて僕の手を取った。
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