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side O
薄暗い照明の中に浮かびあがる書類と本の山…。
時折、干からびた何かがチラリと見える。
漂う悪臭も気にせずに、ニコニコと書類と写真を見比べる男がいた。
その姿は爽やか。
そして、秀麗な顔に甘いかな笑顔を浮かべている。
場所の醜悪さと対照的な美しさだ。
柔らかな茶色い髪を揺らして、ゆっくりとそれを見つめた。
そして、
「ねぇ、ジェシカ…。君より魅力的な骨はないって思っていたのに…。」
僕は申し訳なさそうに、美しく磨かれた骨格標本のジェシカを見つめた。
ジェシカは、僕の不義理を咎めずに優しく見つめてくれる。
「肉が付いていても、こんなに美しいなんて…罪だよね。」
僕は写真の中の人に語りかける。
指先でその頬を撫でながら。
「あぁ…、どうしよう。初対面でキスしたらダメだよね。どうしたら、貴方は僕のモノになるかなぁ…。」
我慢できない、僕は写真と書類を優しく抱きしめる。
ドキドキが止まらない。
体が熱くなる。
あぁ…僕は欲情してるのか。
写真の…貴方に…。
どうしよう…自制…出来るかな?
あぁ…でも…
「早く会いたいなぁ。佐野武司(さの たけし)さん。」
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