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「とりあえず、その質問に答える前に、件(くだん)の相談相手の詳しい事情を把握しておかないと、何とも口に出せねぇよ」  そんな彼の返答に、四人は落胆し、同時にため息を吐く。  空井正は、その様子を尻目に、気だるそうに流堂に話しかけようとしていた。しかしその矢先に、銀田が割り込むように彼・流堂にボヤいた。 「流堂、もういいぜぇ、悩みがあるからって、こんな奴を当てにしなくても。こんな奴、相手にするだけ時間のムダなんだよぉ。こいつたぶん、何も考えてないぜぇ。そんな感じの顔してるし」 「確かにぃ~。そんな感じするするぅ~」  小野がそれを聞いて同意を示すよう何度も頷いた。そんな彼女らに対して、理空は一瞬腹立ちが顔に現れていた。けれども、その直後に彼女たちが理空の方へと向き直るころには、すでに笑顔に戻っていた。  そんなことに気付くはずもなく、銀田は、金髪の前髪を手で梳かしながら、そんな様子の理空に向かって諭した。 「理も、もういいだろぉ? 困った時に頼りになるやつって聞いたから、わざわざ来てやったけどさぁ~……こいつ何もする気がねぇじゃ~ん。……それよりぃ、答えが見つかるまで、友達(だち)と楽しいことをしながらぁ、ゆっくり待っていればいいんだぜぇ」  銀田は、いつもの半分の面積で寝苦しそうにしている空井正の顔をチラリと、嘲笑を込めて一瞥する。それから、流堂の肩に手をかけ、彼の顔を覗き込みながら、さらに続ける。 「それになぁ。青春が知りたかったらな、お前も早く彼女作れよぉぉ! 青春なんてものは、女を手に入れたら自然となっているもんなんだよぉ」  そう自分の意見を切り出してから、銀田は自分のことについて、雄弁に語り出した。
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