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「ここにいるコイツ、アヤヤンと俺がつき合っているっていうことは、お前もう知っていると思うけどな。正直コイツは、いつも超全く可愛くなくて、『こんなんが俺の彼女かぁ』って思うしぃ、正直つき合ってやるのもたまに面倒に感じていたりしてる。けどな、コイツ、ごくたまに、めっちゃ可愛くなるんだよぉぉ。サプライズで何かバリ高いやつとか買ってやると超喜ぶし、たまにデートしてやると超テンション高いし、ベットの上だと――――」
「リョウスケ、その話マジやめて。ウチ、それされると、超引くから」
銀田が語るのに、一人で熱が入りすぎて暴走し、話を脱線させかけたとき、小野が嫌そうに冷たい声を放った。
それによって、空気がかたまり、彼の興奮が急速に沈下していった。
一瞬静かになったことで、校舎で何かの呼びかけが行われているのが、耳についた。
熱が冷めた銀田は、流堂に向かって、今の自分の正直な意見を吐露する。
「……ゴホン。つまり、彼女と手を繋いでデートしたり、夜に彼女の家に行って……げへへ……なことをしたりする。それこそが青春っていうだろぉ? それ以外に何かあるか? ねぇだろ? だからお前も、ウジウジ悩んでいるふりなんかさっさとやめて、顔とスタイルの良い彼女を作っちまえ~! それで、早く俺らとまた暇な時間つぶしに行こうぜぇ!」
無理やりに言い切ったあと、キメ顔で親指を立て、同意を促す銀田。
流堂はその熱弁と勢いに押され、曖昧に頷く。
その横で、ついでだというような雰囲気で、小野が自分の意見も述べ始めた。
「リョウスケの意見もそうだと思うけどぉ~、ウチはぁ、青春っていうのはそれだけじゃない感じだと思う~。ウチだって、リョウスケとチャチャチャチャするのも、もちろんサイコーだし~。 だけどー、友達とワイワイ騒ぐのも、青春かなって、思うし~」
自分とは違う意見を提示され、銀田は驚きで目を見開いた。
いきなり始まった小野の意見公開に、他の視線も集まる中、小野は自分の意見の根拠を話し始める。
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