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「何も考えなくてもぉ~、お互いに気を遣わなくてもいいような? 信頼し合える友達と一緒にぃ~、ショッピングしたり、カフェ行ったり、ご飯食べたり、誕生日パーティしたり、旅行に行ったりして。たまに小さいことが超面白くて、一緒に笑い合ったり。超簡単なことなのに、それだけでヤバ楽しくて、今、超幸せって、感じするじゃ~ん。だからそれも、青春ってことになるのかな? って、感じじゃん?」
言いたいことは言い終えたようで、小野はみんなの顔を見回し、可愛らしく首を傾げた。
「ねぇ~? これもぉ、『青春』ってことに、ならないのぉ?」
小野が流堂や銀田の顔を見ながら、意見を投げかける。
しかし投げかけられた二人は、唐突に始まった小野の熱弁の勢いに押され、状況を把握しきれず、固まってしまっていた。
理空は興味深く頷いている。
空井正は興味なさげに大きな欠伸を流す。
少しの沈黙の後、銀田が我慢しきられないといった様子で、握った拳を上下に振りながら、興奮気味に口を開いた。
「確かにぃ、それ超共感だわぁ! それもありぃっ! やっぱ俺の嫁、よく分かってるって感じだわな~! そうそう、『友達と一緒に暇を潰す』それも充分、【青春】って感じするするっ! いやぁ、これも【青春】だと考えたら、やっぱ【青春】なんだわなぁ! 超わかるっ! 超しっくりきたわっ!」
小野の意見に感銘を受けた銀田は、興奮冷めやらぬテンションのまま、少し嬉しそうにしていた小野の頭を、力まかせに撫でる。
髪をぐしゃぐしゃにされ、嫌そうに彼を睨みつける小野。
そんな彼女を気にも留めず、銀田は流堂の方へと向きなおり、彼の背中を加減せず叩きながら、上機嫌に言い放った。
「だ、か、らぁっ! 【青春】の答えは、『そんなしょうもないこといちいちウジウジと考えていないで、さっさと俺らと暇つぶして遊ぼうぜぃイエーイ!』ってことだっ! 俺らとワイワイ遊んでいるだけでも【青春】なんだしさぁ~! そこからいつか彼女も作れたら、さらに【青春】になんじゃん! ――――うわスゲーっ! 俺マジ天才かも! ……だかぁら、今がすでに【青春】なんだから、そんなウンウン唸って【青春】のお勉強する必要ないわけ、わかる? だぁかぁらぁ~、こんなことさっさとやめて、近くのゲーセンでも遊びに行こうぜぇ!!」
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