3章 蒲公英(たんぽぽ)色@カンバセ―ション

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「いやぁ、申し訳なかった少年。創は押しに弱い子だからさ、てっきり創に危害を加える輩かと。私の名前は、祁答院 操(けどういん あやつり)。きみは?」  先程とは全く別な、明るい笑顔を浮かべながら、敵意がないことをアピールするかのように自己紹介を始める祁答院さん。その態度の変貌に多少面喰いながらも、僕も自己紹介をすることにした。 「僕の名前は、廻栖野八重です。昨日転校してきました」 「なるほど、転校生だったのか。なら、仕方ないかな」 「仕方ない?」  一人で勝手に納得したように頷くので、気になった部分を復唱する。すると祁答院さんは、真面目な表情で、僕の内側へ突き刺すような言葉で、忠告してきた。 「なにも知らないであろう少年に、私から忠告をしておいてやろう。創には、近付くな。楽しい学校生活を送りたければな」
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