3章 蒲公英(たんぽぽ)色@カンバセ―ション

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 真っ直ぐで、誰に対しても辛辣な言葉。ただ、辛辣であるがゆえに、真っ直ぐで遠回しも言い回しもないその言葉は、どこまでもその人を想っての言葉であると、伝わってくる。  ここは、素直に忠告を聞いておくべきだ。どうせ、数日程度。長くても一週間程しかいないこの学校。波風を立てず、静かに過ごすに限る。というか、どこまでも部外者である僕は、誰の生活にも影響を与えないように、自分のすべきことをするだけだ。  それは、わかっていた。  なのに僕は、全てを無視するかのように口を開いた。 「嫌、です」 「はっ?」  僕の答えが予想外だったのだろう。驚いた表情で、そんな頓狂な声を出す祁答院さん。 「少年、後悔するぞ?」 「雪城さんと絡めば、同じようにクラスで浮くからですか?」
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