3章 蒲公英(たんぽぽ)色@カンバセ―ション

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「わかっているならなおさらだ。きみだって、普通の学校生活を送りたいだろう?」 「そうですね」 「ならばなぜ、嫌だと言った? 創が可愛いから、近付かないのは無理だとでも?」 「確かに、雪城さんは可愛いです。でも、それ以上にやっぱり、似ているから、ですかね」 「似ている?」 「はい。意味もなく虐げられ、大勢の意志のない結託に蔑まれ。僕も一緒だったから、放っておけない。なにより、僕は捻くれ者なので、人がやるからなんて理由で避けたりしない。むしろ、近付いていってやりますよ」  僕の、素直な気持ち。  ただこれは、今の雪城さんに昔の自分を重ね、あの頃の自分を助けたいから、救いたいから、肩入れをしているだけかもしれない。それでも、本心であるし、本能から雪城さんと一緒にいたいと、考えている。
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