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放課後。僕は、それがまるで義務かのように生徒会室へと向かう。いや、義務のようなものだけど。
扉をノックし、返事を貰ってから中に入ると、そこには着替え中の無音さんが――なんてラッキースケベイベントが用意をされいてる訳もなく、昨日と同じところに座った無音さんがいるだけだった。
「適当に座って、少しだけ待っていてくださいね。これが終わったら、相手してあげますから」
「なんで、堪らず会いに来た弟をいなすお姉ちゃんみたいな台詞を吐くんですか」
「あれっ、違いましたか?」
「違うよ」
つれないですねぇとなんて言いながら、黙々と作業を続ける無音さん。言葉とは裏腹に、机の上に積まれた資料とその真剣さからかなりギリギリな感じが窺えたので、堪らず僕は口を開く。
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