2章 鳩羽色@スクールデイズ

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「意味ない?」 「だって、てんこーせー、が、つくりのなまえを、よぶこと、なんか、きっとない。だから、しってもいみ、ない」 「みんなが、きみに恐怖しているから?」 「――えっ?」 「今日一日、僕はきみのことを見ていた。みんなからいないように扱われ、それをきみは受け入れている。いや、受け入れているんじゃない。諦めている。違う?」 「どうして、わかる、の?」 「僕も、同じだった」  瞬間、彼女は目を瞠った。  恐らく、このタイミングで彼女は僕が教室で彼女を見た時に感じたものを、感じ取ったのかもしれない。  彼女は、僕から顔を逸らすようにしながら、より小さな声で、囁くように呟いた。 「ゆきしろ……つくり……」 「僕は、廻栖野八重だ」  無音さんや拵先生の感覚でいうなら、僕とこの子の出会いは、運命だったのだろう。  この依頼をきっかけに、この出会いをきっかけに、僕はかけがえのないものを。  生まれて初めて、なにを犠牲にしても護りたいと思う他人に、出会うこととなった。
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