3章 蒲公英(たんぽぽ)色@カンバセ―ション

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「どうしたの? ちらちらとお姉ちゃんの谷間を見て。触りたいの?」  夕飯の料理を運んできた姉さんが、僕の視線に気付き、あざとく頬を染めながらそんなことを訊いてくる。 「全然」 「そっか。お姉ちゃん、色気ないもんね。しゅん」  しゅんって、自分で言っちゃったよこの人。  そんな姉さんと初めて会ったのは、確か僕が八歳で、姉さんが十四歳。中学二年生の時だった。  詳しい話は長くなるので、またの機会にじっくり語るとするが、なんでも家庭の事情と、事務所の立ち上げ人であるじいちゃんからその才能を見込まれ引き取られたとのこと。  その才能というのは、主にハッキングにクラッキング。いくら現代魔法という概念が生まれようが、記録を記憶するのはあくまでそういうデバイスが主流なので、こういうスキルは役に立つ。  特に、なんでも屋という仕事上、情報というのは大きな武器となる。その為、じいちゃんが戦力として姉さんを引き取った。
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