3章 蒲公英(たんぽぽ)色@カンバセ―ション

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「でも、手ははらわないんだよね?」 「心、読まないでくれます?」 「表情でわかるよ。それじゃあ、ご飯でも食べながら、今日の報告でも聞こうかな」  二人で手を合わせ、いただきますと挨拶をしてから、夕飯を食べつつ雑談がてら今日の報告をしていく。 「――という感じだったかな」  そんな言葉で、締めくくる。だが、なにかが駄目だったのか、話していく内に先程まで上機嫌だった筈の姉さんからは不機嫌オーラが漏れ出してき、話し終えると姉さんは不貞腐れたように頬を膨らませながら、目の前の夕飯を一心不乱に食べ始めた。 「ど、どうしたの?」  不機嫌オーラが全開である上、怒っている理由がまったくわからないので、恐る恐る訊いてみる。 「べっつにぃー。ただぁ、今日一日で新しいお姉ちゃんが出来て、可愛い女の子と知り合って、とても充実した学校生活がスタートしたんだなぁって。よかったね。これからの未来は、めくるめくハーレムルートだよー」
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