0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
少々居心地の悪い沈黙を破ったのは、男の方だった
「………なに…」
目が合う瞬間は驚きの表情を見せて、どちらかというと幼さを憶える顔だったのだが、口を開くと、いかにも私が悪いかのように睨みをかましてきた
それはこちらの台詞だ
、と言いたいところだったが、なにしろ私は口下手なのだ
しかも男の人に面と向かって歯向かうことなど、出来る筈もない
「………」
「……」
私は言葉を出さない代わりに、ちらと先ほどまで男がいた、自動販売機に目をやった
「……、…」
少し男が動揺したように見える
私は自動販売機を見るふりをして、横目で男を盗み見た
微妙に頭を傾かせ、男は考える仕草をする
音に出ないように、私は浅く、深呼吸をした
最初のコメントを投稿しよう!