第1章

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少々居心地の悪い沈黙を破ったのは、男の方だった 「………なに…」 目が合う瞬間は驚きの表情を見せて、どちらかというと幼さを憶える顔だったのだが、口を開くと、いかにも私が悪いかのように睨みをかましてきた それはこちらの台詞だ 、と言いたいところだったが、なにしろ私は口下手なのだ しかも男の人に面と向かって歯向かうことなど、出来る筈もない 「………」 「……」 私は言葉を出さない代わりに、ちらと先ほどまで男がいた、自動販売機に目をやった 「……、…」 少し男が動揺したように見える 私は自動販売機を見るふりをして、横目で男を盗み見た 微妙に頭を傾かせ、男は考える仕草をする 音に出ないように、私は浅く、深呼吸をした
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